珠帆美汐 セミナールーム・キノコ荘

キノコ荘物語

        私がスペースを札幌に借りるまで~ドタバタ顛末記~

2009年12月の半ば、私は札幌に昭和のかほり漂うレトロな古民家の一階を借りました。

それが、「キノコ荘」です。 

 

「札幌にセミナーもできて泊まることもできるスペースが自前で持てればなー」とずっと願っていました。

 

その想いが急に強くなってから数週間。

あっと言う間にその夢が叶ってしまいました。

次から次へとシンクロが起こる怒濤の展開。

 

その展開の速さに、正直ストレスや恐怖や不安を感じずにいられませんでした・・・。

 

以下、当時のブログ記事をまとめたものです。

 

札幌に自前の場所を借りる夢が叶う。

それはめでたくハッピーなことのはずなのに、なぜストレスフルだったのか。


どのような恐怖や不安が私を襲ったのか。

そして、それを私はどうやって乗り越えたのか。

 

ご縁のあった物件は、私にとってどのような存在だったのか。

 

以下、読んでみてくださいな。

 

         □ ☆ □

 

私は、毎月平均6日間くらい何かかにか札幌でセミナーや講座を開いています。

 

それらの会場費を合計すると、平均6万円くらいになってるんです。

 

それだけあると、札幌なら部屋借りれるよね、とふと思い付いてから数週間。

 

自前の部屋が一つあれば、空いてる会場を探してあちこち電話して回ることがなくなる。

荷物を置いておけるから、ド田舎の我が家から大きな荷物を引きずって札幌に通わなくて済むようになる。

二日間連続セミナーの時など、札幌に泊まっているのですが、その泊まる部屋を探したり手配したりする手間がなくなる。

「札幌の自分の部屋」でくつろぎながら過ごすことができるようになる!


それに、仲良しの大切なみんなに、セッションルームとして格安で貸し出したり

セミナールームとして使っていただいてもいいな。

 

遠方在住者さんが札幌に出てくる時の滞在先として利用してもらってもいい。

夢はいくらでも広がる(^^)

 


数週間前から、そんな思いがとても強くなって、「札幌に自分のスペースが持ちたい!!」と叫びまくっていました。

 

それを口に出すと、聞いた人がみんな「いいねいいね」って喜んでくださって・・・

そのこともとても嬉しく、「天が応援してくれてるな」と感じておりました。


 
とても気をよくして、「人に話すと実現が速まるっていうよね」と
夫にもこの夢を話しました。

 

夫はとても現実家で冷静な人で、
共感よりも批評とか否定とかが返って来やすいタイプなので、
夢のようなことを話すには向いてない相手なんですね(^^;

 

批評か否定かアドバイスか、でなければ即行動か、っていう、
男性らしい反応が返ってくる人なんです。

 

以前にも札幌に部屋を借りたいという話をして、一刀両断に
「あほか。やめとけ。」と言われたこともあり、
ちょっと慎重になってました(^^;

 

一週間ほど前、恐る恐る「札幌に部屋借りたいんだよね」って
夫に話しました。

 

「なんでやねん」(大阪出身なので関西弁です)と帰ってきたので
「毎月平均6万円くらい会場費に使ってるので、それだけあればアパートでも借りれるんじゃないかと思って」と話すと
急に表情や雰囲気が変わりました。

 

「それもありか」とハタと思い始めたのがわかる表情です。

「札幌のどこら辺がええの」
「間取りの希望は?」
「広さは?何人くらい入ればええん?」

などなど、突然現実的な質問を次々・・・。

 

・・・夫に話したことから、怒濤の展開に火が付きます。

  次々に起こるシンクロ・・・。

 

 

 

 

その次の日。

 

突然「調べたよ」って。

私は「何を?」って返事しました。

 

だって私としては、「できれば2010年中には場所を借りていられたらいいな」くらいの
ぼんやりした夢を語ったつもりだったんです。

もう次の日に「いい物件があったから見てみて」とパソコンの前に呼ばれるとは。

心の準備ができていませんでした・・・

 

不動産屋さんのサイトで、まさに条件ぴったりの候補物件についての情報を見せられました。

 

そんなー・・・

ちょっと待ってよ、気が早すぎるよ、心の準備ができてないよ!

 

夢が現実的になり始めた途端に怖くなりはじめ、心臓がバクバクしはじめる。

なんてチキンなんでしょう、私って

そんな自嘲気味な気分になりつつ、

  「でも、まだ情報収集をしているところだから。

  まだ決めるわけじゃないから。

  候補をたくさん見ておくのはいいことだ。」


と自分自身をなだめながら、PCの前で夫の見つけた物件についての説明を聞くのでした。

 

それが12月8日。

次の日、12月9日は、Happyクリスマスマーケット。

私がタロット占いで札幌に出向くことが数ヶ月前から決まっていた日でした。

 

「明日札幌やろ?ついでにこれ見せてもらおか。」


普通、平日に私が札幌に行くことなんてないのにね。

普通、突然「行くか」って言われても、セッションの予約が入ってて
無理なものなのにね。

夫にこの「夢」の話をした次の日にちょうどいい物件が見つかって

その次の日にばっちり見に行けてしまうなんて。

・・・嘘でしょう、っていうこの展開の速さ・・・

 

        次の日、私が見たものは・・・。

 

 

 

運命の12月9日、イベント「Happyクリスマスマーケット」でのタロット占いを終え、

夫の運転する車で向かった先は、札幌市西区琴似。


実は、私にはずっとビジョンがありました。


 「札幌に場所を借りるなら、一軒家がいいな。

   賃料高いからきっと無理だけど。
 
  できれば庭付き。

  ボロくていいから。

  古ーい民家。庭付き一戸建て。

 

  場所は琴似がいいな。

  とにかく、札幌の西がいい。

 

  あーあ、その辺りの庭付きのぼろい民家を

  誰か格安で貸してくれないかなー」


札幌でこの仕事をしだしてもう5年。

5年間、ずっと頭を離れなかったイメージでした。

 

そんなことをぼんやりと思い起こしていた私に、

「着いたで。ここや。」

夫が車を駐め、指し示した先にあったものは。

 

一戸建ての古い民家。

しかも、庭が。

 

ネコの額ほど、いや子猫の額ほどの可愛らしい庭ですけど、
玄関前にちょこっと付いてるのでした。

 

 

琴似で、庭付き一戸建てのビジョンが・・・

 

こんな勢いで、こんなスムーズに、叶ってしまうの・・・?!

 


子ネコちゃんの額ほどのお庭の付いたその古ーい一戸建ての民家。

 

間取りも理想的。

 

20人は入れます。

 

定員20名のセミナーができます。

 


お風呂が無いとか(宿泊所としても使いたいので本当はお風呂も欲しかった)
二階が大家さんの物置になっていて、一階からは行けないように封鎖してあるとか
(その代わり外階段が付いています)

いくつか残念ポイントはあるものの、

 

立地条件の良さ、アクセスの便利さ、この間取り、この広さ、

その上まさかの家賃の安さ!!


ビジョン通りの琴似庭付き一戸建て古い民家。

 

その古さ加減も、まさにビジョン通り。

 

「札幌に自前のスペースが借りたい」と思い立ってからのこの進展の速さといい、
これはご縁だな、と。

 

呼ばれちゃったな、と。

 

しみじみと感慨深くその家を眺めていると、

傍らの夫がぼそりと「これから不動産屋に寄って契約して帰ろか」と言いました。

 

 

   ・・・これから契約して帰る?!


  ちょっと待って!!心の準備が!!

 

 

いや、乗り気だよ?

でも心の準備が。

 

お部屋を借りるってことは、固定費が毎月かかるということでしょう?

 

私が体調を崩してしばらく働けなかろうが、

何か他の仕事で忙しくってセミナーを開かない月があろうが、

毎月固定費がずっしりと私の肩に乗っかるということだよね(><)


確かに格安な家賃だけど、
お部屋を借りると家賃だけじゃすまない。

電気代、水道代、ガス代、灯油代・・・

雪かきは?
講座当日の朝早くに私がやるのかなあ・・・

 


それに、「ネイティブアメリカン合宿」のような場所を選ぶイベントだって時にはある。

 

プロジェクターが必要な講座も、他の会場借りることになる。

 

 

そんな時は、ここの部屋代を払いつつ、別途会場費が掛かってくるんだよね。

 

 

持ち物を増やすということに付随する重さが、ずっしりと実感として私を襲いました。

 

 

いったい、固定費を抱え込むだけの度量が、私にあるんだろうか・・・。

 

私はその責任の重圧に耐え続けていくことができるんだろうか

 

 

一旦不安になると、いくらでも不安要素が浮かんできます。

 

恐怖と不安と責任の重圧に身体がこわばり、呼吸が浅くなり

イヤな汗がじっとりと手のひらに浮いてくるのを感じながら、

私はいつまでもぐるぐると迷い続けました。

 


不動産屋さんの前まで車で行ったものの、車から降りることができず、

「今夜一晩考えさせてくれ」と夫に頼んで、その日は一旦帰宅しました。

 

 

 

 

 

家に向かう車の中で、不安と期待、喜びと恐怖が順番に、代わる代わる私を訪れました。


札幌に自前のスペースを持つ夢が叶うかもしれない。

 

こんなに早い展開で。

 

シンクロの嵐の中、ビジョン通りの物件と出会ってしまった喜びと期待。

 


自分がそれを維持していけるのか。

 

私にこれからしばらく固定費を払い続けていけるのか。

 

先の見えない不安。

 

なんの保証もない恐れ。

 

自分で決断し、自分でその責任を負っていくしかない経営者の孤独。

 

 

ぐるぐるしたままパソコンを開き、
いつも迷ったときに助けを求める凄腕タロット占い師じょいあさんに
「相談に乗って欲しいことがあるんだけど、今日中に時間取れないだろうか」とメールしました。

 

すると速攻お返事が来て、すぐに占ってもらえることに。


  「その家を借りて大丈夫。

  自分の直感を信じて進んでいい。

  きっとたくさんの人が応援してくれる。」


もうすでに記憶はあいまいですが、そのような趣旨の結果でした。
(じょいあさん私何か間違ってたら訂正してね^^)

 

とにかく力強く背中を押してもらう結果だったんです(^^)

 

じょいあさんからお返事が返ってくるのを待つ間に、自分でも気がついたことがありました。


「やめとけ」と言われても、私はやるだろう。

私はこのご縁を手放す気がない。

私は、「あの家に呼ばれた」と、

「大いなる宇宙意志がこの縁をつないだ」と

「大いなる宇宙意志にあの家を託された」と

感じてる。

止められても、進むだろう。

私の内なる声は力強く「YES!!」と私に告げている。

これは、"calling"だ。

私は呼ばれてしまったんだ。


GOだな。

 


私の中で静かな決断が下されました。

 

まだ怖いし、まだ不安だけど、行くしかない。

 

その高揚感のまま、あるプロジェクトのメンバーが集うチャットに書き込みをしました。

 

  「私、札幌に自前のスペース借りようと思って。

   明日の朝、契約の話する。

   札幌でのセミナーの時は使ってね!」


ちょうどネットを見ていたらしいメンバー達が素早く反応してくれました。

 

「おおおーーー!」「いいねいいね」 と口々に・・・

 

みんなが喜んでくれたことで胸がいっぱい・・・(^^)

 

そうだよね、私が良い場所を作り上げて提供することができれば、

みんな喜んでくれるよね。


私にとって、これは重くて大きなチャレンジだけど、

チャレンジする甲斐のあるチャレンジだ、と

改めて気持ちが定まりました。


「3月での札幌個人セッションの会場を借りる相談をたまちゃんにしなきゃ、って
話してたまさにその瞬間にこのチャットが入ってすごいびっくりした。

まさにシンクロ。

シンクロが起きてるときは流れが来てるときだから、不安がらずに進んで大丈夫だよ!」

 

1人のメンバーがこう言ってくれたことには特に背中を押されました・・・。

 


次の朝、夫に、「あそこ借りる。決めた。契約進めてください。」と頼みました。


   ・・・しかし、「お試し」はそれだけでは終わらなかったのです(><)

 

 

 

 

 

次の日。

 

朝のうちに夫が不動産屋さんに連絡取ってくれました。

 

不安は手放し、腹を据えて希望を見ていくことにしよう。

 

そう思うと現金なモノですっかりウキウキ気分に


 「自分のスペースが持てるの楽しみだなー

  名前付けなきゃだよなー。

  備品もそろえなきゃ。」

 


そこへ入った連絡。

 

昨夜の私の話を聞いた友人たちが、
早速琴似まで出向いて私が借りようとしている家を
見てきてくれたそうなんです。

 

そしてその感想は。

 

一緒に行ったメンバーの、半数以上が

 

エネルギーがかなり悪く、

正直居心地が悪い。行きたいとは思えない場所。

あそこでセミナーやセッションはちょっと・・・。

 

と、口々に・・・。

 

 

 

がーーーーんがーーーーんがーーーーん(泣)

 

うそーーーっ!って思いました(号泣)

 

 

セミナーやセッションができない場所なんて意味がない。

行きたいと思えない場所なんて・・・。

 

どうしよう・・・

 

 

こうして率直な感想を伝えてくれたこと、

すごい愛と勇気と思いやりだと思います。

 

その方々(4人で行って、3人もがそんな感想)が勇気を出して正直なところを伝えてくれた、ってことを誇りに思います。

 

仲間とそんな関係を作れている自分を誇りに思います。

 

「本当のこと」って、なかなか言ってもらえないじゃないですか。

 

「気を悪くさせたくない」「傷つけたくない」「気分を害したくない」

そんな遠慮から、本当のことほど、本人の耳には届かない。

 

そういうことって、起こりがちですよね。

 

そういうのだけはイヤだ、と常々思ってました。

 

それじゃ進歩も成長もない。

 

それじゃあ進化が止まってしまう。

 

 

私の心の底からの願いは

自己満足でもちやほやしてもらって良い気分になることでもなく、

より価値の高いものを提供していくこと。

 

より質の高いものに少しでも近づいていくこと。


そのためには、耳に痛いことこそ、知っておきたい。話してほしい。

 


というわけで、「伝えてくれた」ということに関しては「言いにくかったでしょうに、言ってくれてありがとうね!」なのですが、

 

 

ではどうするのか。

 

あの家をそれでも私は借りるのか。

 


契約のやり取りを開始したばかりで、まだ契約書は届いてないし
(地方在住者なので郵送でやり取り)

契約中止、キャンセル、っていう選択肢はまだ残ってました。

 

でも、自分の内側を探ると、進みたがってるんです。

 

内なる声は「それでも進めるんだ」「あそこなんだ、あそこでOKなんだ」と言い続けるのです。

 

とてもはっきりと。迷いなく。力強く。

 

 

私の本体は、「内なる声」と「外側からの声」の板挟みになって、

本当に苦しみました(><)

 


「内なる声」はGO!と言う。

 

でも使ってもらえない場所、人が来ない場所なんて、意味がないじゃないか。


リスクを冒して部屋を借りて、

そのせいで仕事がうまくいかなくなるなんて、

本末転倒もはなはだしいじゃないか。


私の大切な人たちと、良い時間を、

より居心地良くより楽しくより安心安全に過ごすために部屋が欲しかったんだ。

 

それができない場所なら・・・。

 

そんな場所なら要らないじゃないか。

 

 

 

 

 

12/7「札幌にセミナーも開けるスペースを借りたいな」と夫に話す。
  ↓
 
12/8 夫がネットで物件を見つける。
  ↓

12/9 その物件を夫と二人で見に行く。
  ↓

12/10 契約する。
  ↓

12/10 友人達が早速見に行ってくれ、「かなりエネルギーとか気とか悪くて居心地悪い。私はあそこに行きたくない。」という視察結果を報告してくれる。


と、ここまで毎日毎日進展がある怒濤の展開でした。

 

「契約」と「あまり良い感じではないという友人達からの報告」はなんと同じ12月10日、という密度の濃さ。


  さて、借りるべきか借りざるべきか。


「それでも借りるのだ」と力強く訴える内なる声と、
信頼する友人達からの率直な感想との板挟みになった私。

 

すっかりパニクって混乱した私は、翌12/11に再度その物件を見に行きます。

 


私は札幌から片道2時間かかるド田舎に住んでいて、
気軽に「じゃあ見に行ってみようか」と言える環境にはありません。

 

往復四時間、
朝10時に家を出て用事を1時間で済ませて家に帰宅したとすると午後3時。


ほぼ一日仕事になってしまうわけです。

 

ワーキングウーマンである私、一日空いてる日はそう多くありません。

 


でも、12/11もまた、奇跡的に状況が整っていました。


本当に不思議。

 

しかも魔女友と会う日でもありました。

 

建物の「気」だの「エネルギー」だの「霊」だのに敏感で詳しくって
対応策なども日頃からよくアドバイスしてくれる貴重な魔女友さんと。


11日の午前中、

 

「今日なら行けるじゃん!しかもHさん(魔女)とも会う日じゃん!

事情を話して付いて行ってくれるかどうか聞いてみよう!

 

家で悶々としながらグルグルしてるより、

信頼できる友人と一緒にもう一度あの建物を見てみよう。」

 

と思い立ち、いきなり電話。


急な話なのに、それにHさんも日頃忙しい方なのに即OK.


この件に関してはなぜかどこまでも展開が早い(^^;

 

 

日の短い冬の午後、早くもたそがれ始めた空の下で、
改めてまじまじとその建物を見ました。

 

残念ながら急な話すぎて大家さんとは連絡が取れず、
中は見れなかったのですが、

外から見ても、物置として閉鎖されている二階と、
裏の別棟が気が滞っていて重いのがよくわかります。

 

特に裏の別棟はずいぶん長く放置されていたようで、既に「廃墟」の風格が・・・


という私の観察結果と、魔女Hさんの見解がほぼ一致。

 

玄関前の雰囲気、エネルギーはかなり良い、という見解も一致。

 

子ネコちゃんの額ほどの小さなお庭がその家を支えてる、という見解も一致。

 


「なあんだ、私、わかってるんじゃん。

そこまで鈍感なのか自分、ってちょっとショックを受けてたけど

感じてて気がついてて、それでもここを選んだんだなぁ」

とちょっと安心。

 

いや、親しい友人達がそこまで「ちょっとあそこは」と言わずにいられないものを選ぶ自分の感覚や感性ってそこまで鈍くてひどいのかなと、

やっぱり自信失いかけますよ、どうしても(笑)